ランチルームより
食事のたいせつさ
巣作りを終えて、子育ての準備をするツバメが飛び交い始め、季節は例年より早く、梅雨に入りました。
ツバメは穀物以外の害虫を食べることから、昔から「幸運の鳥」と呼ばれているそうです。毎年、プレスクール・ベルの軒先に、一生懸命巣をつくる姿に感心しています。巣が壊れては、何度も作り直し、親鳥は毎日必死でひな鳥に餌を運びます。生きていく為に、大切なのです。私はその巣を見るたびに、ツバメの親鳥のように一生懸命に、命をつなぐ食事を子どもたちに届けなくては、と思うようになりました。
私たちは、食べ物を、好きな時、好きなだけ食べられる豊かな時代に生まれ、その大切さを忘れてしまうことがあります。先日、未曾有の大震災で、一時的ではありますが、食材が手に入りにくくなりました。誰もが想像しなかったことです。毎日、当たり前のように作っていた温かいランチが出せなくなり、歯がゆい思いをしました。いつも温かくおいしいものが食べられるのは、当たり前ではないのだ、という有りがたみも改めて感じました。子どもたちにも、食事の大切さを知って大人になっていってほしいと願います。
ある日のおやつの時間のことです。おやつのマフィンを全く食べようとしない子がいました。しばらくすると、マフィンを割り、遊び始めてしまいました。その子は、おやつのごちそうさまをした後も、なかなか食べきれずに、最後までランチルームに残っていることがよくありました。保育士の先生が促しますが、なかなか食べません。私は、その子の前に座って、様子を見ることにしました。「ランチの先生見てるよ!食べようね!」「一生懸命作ったのよ。」と声をかけながら。すると、少しためらいながら、ゆっくりと食べ始めたのでした。作った人が、そばにいて見守ることの大切さを実感しました。
いつも食べられなかったものを食べられたという経験は、きっとその子の自信につながったことと思います。よく「好き嫌い」といいますが、幼い子どもたちにとっては、ほとんどが「食べ慣れない食材」なのです。おいしいと感じるには、周りの環境や、以前それを食べたことがあって、確実にどのような味かとわかっていることも必要です。いろいろな経験を通して、食事に対してもっと興味をもってほしいと思っています。食と関わる機会を多く作り、食事の大切さを伝えていくことのできる仕事を誇りに感じながら、私は、これからも子どもたちの成長を見守っていきます。
そらまめのさやむき
